ギフト
えー、クリスマスですね。
私とは無縁のイベントなわけですけど。
クリスマスものどうにか考えてみました。小ネタです。祐聖、祐江、祐乃です。祐×江+乃は好きだから。聖さまは書きやすかったからです。
私とは無縁のイベントなわけですけど。
クリスマスものどうにか考えてみました。小ネタです。祐聖、祐江、祐乃です。祐×江+乃は好きだから。聖さまは書きやすかったからです。
聖×祐巳
「ゆーみちゃん」
「何なさるんですか、聖さま?」
「ちょっと祐巳ちゃんの温もりを、ね」
「恥ずかしいですよ……」
「だいじょーぶ。どうせ今は自分たちのことで手一杯なカップルしかここらへんにはいないから。こうしてても疑問に思う人なんていないよ」
聖の腕に抱かれながら祐巳は思った。
「聖さま、私やっぱり聖さまが好きです」
「ありがと、私も祐巳ちゃんが好きだよ」
「じゃあプレゼントをくれませんか? 今日一日の思い出になるような」
「いいよ。じゃ、目つぶって」
「こんなところでですか?」
「何を想像したのかな? それにプレゼント欲しいって言ったのは祐巳ちゃんだよ」
「別に私は何も変なことは想像してませんよ」
「なら目つぶってくれてもいいじゃない?」
「分かりました。つぶりますよ」
聖は目をつぶった祐巳の小さな手をとって、その薬指に悩みに悩んで買ったシルバーリングを嵌めてあげた。
「もういいよ」
「これ……?」
「祐巳ちゃんのそばにはいつでも私がいるよっていう証拠。ホントはこんなの柄じゃないんだけどねー」
「ならどうしてしてくださったんですか?」
「それはね」
祐巳の問いに聖は答える。
「祐巳ちゃんの喜ぶ顔が見たかったからに決まってるでしょ?」
その答えに祐巳は顔を真っ赤にしてはにかんだ。
それはさながらトナカイの鼻のようなのだけど、祐巳の頬はサンタの道を照らすのではなく、ただ一人、聖の心を満たしてくれた。
江利子×祐巳
「やっぱり祐巳ちゃんと一緒だと退屈しないですんだわ」
「どうせ私の百面相はいい暇つぶしになりますよ」
「そう、ふて腐れない。それとも祐巳ちゃんは私に暇つぶし意外の何かを求めてたのかしら?」
「別にそんなことありませんけど」
「むきになっちゃって」
「むきになんかなってないですよ」
「そういう所が、もうすでに」
「むぅ」
「ごめんなさい。謝るからこっちをむいてくれないかしら」
「嫌です」
「まったく」
江利子は溜め息を吐くとそっぽを向いてしまった祐巳を後ろから抱きしめた。
「私が本当にただの暇つぶしだけに祐巳ちゃんを誘ったと思っているの?」
「違うんですか」
「当たり前じゃない。ただの暇つぶしならT駅のロータリーで安来節でも踊ってもらうわよ。そしたら私はそれで何時間でも時間を潰せそうよ」
「冗談……ですよね」
「だから、暇つぶしならって言ってるでしょう。祐巳ちゃんと一緒にクリスマスを過ごしてみたかったの。ただそれだけよ」
そう言うと朱に染まった顔を見られるのが恥ずかしいのか横を向いてしまった江利子がなぜか少し可愛らしく祐巳には見えた。
「江利子さま、プレゼントがあるんです」
「どんな?」
「今日一日私がサンタになって江利子さまのお願いを何でも叶えてあげるというプレゼントです。もっとも私ができる範囲のことしかダメだし、今日もあと少ししか残ってないんですけど、どう……ですか?」
「それは随分頼りないサンタさんね。でも、素晴らしいプレゼントよ。ありがとう」
「なら、良かったです」
「そうね」
どんなお願いがいいかしら、と江利子は頬に手を当てて考え始める。
「どんなお願いでもいいですよ!」
「そう? ならT駅のロータリーで安来節を踊ってもらいましょうか?」
「え?」
「冗談よ」
「江利子さまー」
「手を」
「え?」
「手を出してもらえる?」
「あ、はい」
祐巳が手を前に出すとその手のひらの上に江利子は小さな狸のぬいぐるみをぽとりと落とした。
「貰ってくれる? 私そういうの選ぶのは少し苦手で。本当は渡さないつもりだったのだけれど」
渡せないと思っていたはずのプレゼントが祐巳の手のひらの上にある。全部が完璧に出来ると思われている江利子にも、好きな人のプレゼントを選ぶという行為はやっぱり悩まずには入られないのだった。
「はい! もちろんです!」
祐巳は受け取ったぬいぐるみを愛おしそうに眺めて。
「あれ、でもサンタがプレゼント貰ってたら本末転倒?」
「いいじゃない。たまにサンタがプレゼントを受け取る年があっても、いつも配ってばかりだと疲れるわよ」
「そういうものですかね」
「そういうものよ」
祐巳はどこか釈然としない気持ちを抱えながらも、そういうものなのかなーと江利子に丸め込まれてしまっているのだった。
「メリークリスマス、祐巳ちゃん」
「メリークリスマスです、江利子さま」
乃梨子×祐巳
「私からのプレゼントは仏像全集だよ」
「どこから突っ込めばいいですか?」
「ゆーみちゃん」
「何なさるんですか、聖さま?」
「ちょっと祐巳ちゃんの温もりを、ね」
「恥ずかしいですよ……」
「だいじょーぶ。どうせ今は自分たちのことで手一杯なカップルしかここらへんにはいないから。こうしてても疑問に思う人なんていないよ」
聖の腕に抱かれながら祐巳は思った。
「聖さま、私やっぱり聖さまが好きです」
「ありがと、私も祐巳ちゃんが好きだよ」
「じゃあプレゼントをくれませんか? 今日一日の思い出になるような」
「いいよ。じゃ、目つぶって」
「こんなところでですか?」
「何を想像したのかな? それにプレゼント欲しいって言ったのは祐巳ちゃんだよ」
「別に私は何も変なことは想像してませんよ」
「なら目つぶってくれてもいいじゃない?」
「分かりました。つぶりますよ」
聖は目をつぶった祐巳の小さな手をとって、その薬指に悩みに悩んで買ったシルバーリングを嵌めてあげた。
「もういいよ」
「これ……?」
「祐巳ちゃんのそばにはいつでも私がいるよっていう証拠。ホントはこんなの柄じゃないんだけどねー」
「ならどうしてしてくださったんですか?」
「それはね」
祐巳の問いに聖は答える。
「祐巳ちゃんの喜ぶ顔が見たかったからに決まってるでしょ?」
その答えに祐巳は顔を真っ赤にしてはにかんだ。
それはさながらトナカイの鼻のようなのだけど、祐巳の頬はサンタの道を照らすのではなく、ただ一人、聖の心を満たしてくれた。
江利子×祐巳
「やっぱり祐巳ちゃんと一緒だと退屈しないですんだわ」
「どうせ私の百面相はいい暇つぶしになりますよ」
「そう、ふて腐れない。それとも祐巳ちゃんは私に暇つぶし意外の何かを求めてたのかしら?」
「別にそんなことありませんけど」
「むきになっちゃって」
「むきになんかなってないですよ」
「そういう所が、もうすでに」
「むぅ」
「ごめんなさい。謝るからこっちをむいてくれないかしら」
「嫌です」
「まったく」
江利子は溜め息を吐くとそっぽを向いてしまった祐巳を後ろから抱きしめた。
「私が本当にただの暇つぶしだけに祐巳ちゃんを誘ったと思っているの?」
「違うんですか」
「当たり前じゃない。ただの暇つぶしならT駅のロータリーで安来節でも踊ってもらうわよ。そしたら私はそれで何時間でも時間を潰せそうよ」
「冗談……ですよね」
「だから、暇つぶしならって言ってるでしょう。祐巳ちゃんと一緒にクリスマスを過ごしてみたかったの。ただそれだけよ」
そう言うと朱に染まった顔を見られるのが恥ずかしいのか横を向いてしまった江利子がなぜか少し可愛らしく祐巳には見えた。
「江利子さま、プレゼントがあるんです」
「どんな?」
「今日一日私がサンタになって江利子さまのお願いを何でも叶えてあげるというプレゼントです。もっとも私ができる範囲のことしかダメだし、今日もあと少ししか残ってないんですけど、どう……ですか?」
「それは随分頼りないサンタさんね。でも、素晴らしいプレゼントよ。ありがとう」
「なら、良かったです」
「そうね」
どんなお願いがいいかしら、と江利子は頬に手を当てて考え始める。
「どんなお願いでもいいですよ!」
「そう? ならT駅のロータリーで安来節を踊ってもらいましょうか?」
「え?」
「冗談よ」
「江利子さまー」
「手を」
「え?」
「手を出してもらえる?」
「あ、はい」
祐巳が手を前に出すとその手のひらの上に江利子は小さな狸のぬいぐるみをぽとりと落とした。
「貰ってくれる? 私そういうの選ぶのは少し苦手で。本当は渡さないつもりだったのだけれど」
渡せないと思っていたはずのプレゼントが祐巳の手のひらの上にある。全部が完璧に出来ると思われている江利子にも、好きな人のプレゼントを選ぶという行為はやっぱり悩まずには入られないのだった。
「はい! もちろんです!」
祐巳は受け取ったぬいぐるみを愛おしそうに眺めて。
「あれ、でもサンタがプレゼント貰ってたら本末転倒?」
「いいじゃない。たまにサンタがプレゼントを受け取る年があっても、いつも配ってばかりだと疲れるわよ」
「そういうものですかね」
「そういうものよ」
祐巳はどこか釈然としない気持ちを抱えながらも、そういうものなのかなーと江利子に丸め込まれてしまっているのだった。
「メリークリスマス、祐巳ちゃん」
「メリークリスマスです、江利子さま」
乃梨子×祐巳
「私からのプレゼントは仏像全集だよ」
「どこから突っ込めばいいですか?」
スポンサーサイト
コメント
コメントの投稿