アカイイト
アカイイトの葛×桂です。
ちなみにお祭りのくだりとか本屋で立ち読みしてきた知識なんで流し読みでお願いします。書いてみてやっぱりキャラ把握しきれてないなって感じがした。
今日は二つ。シロイカゲとアカイイトssを更新。
ちなみにお祭りのくだりとか本屋で立ち読みしてきた知識なんで流し読みでお願いします。書いてみてやっぱりキャラ把握しきれてないなって感じがした。
今日は二つ。シロイカゲとアカイイトssを更新。
お父さんの実家に帰って世にも奇妙な体験をしてからはや一年の時が経とうとしていた。あの時はいきなり私が贄の血だとか言われて地を座れたり剣客少女が現れて鬼を切ってみせたり普通じゃないことがたくさんあった。唯一まともだった葛ちゃんでさえ最後は化身と化している始末だし。
とそんなことを考えている場合じゃなかった。
私は今葛ちゃんとお祭りにいく約束をしていたのだった。
昨夜さんに浴衣の着付けをしてもらっていざ出発したはいいが、どうも時間に間に合いそうになかったのだった。
駆け足で待ち合わせの神社の境内の下まで急ぐとすでに葛ちゃんは空を見上げて暇そうにしていた。すでに提灯を吊り下げた神社の周りには屋台が並んでいて、その中を大勢の人が行きかっていた。
「葛ちゃん!」
そう声をかけると葛ちゃんは視線を落として、私を視認すると笑顔を浮かべてこっちに向かってきた。
「桂お姉さん、遅いですよ」
「ごめんね」
「いいですよ」
「それにしてもすごいね。人が一杯で楽しそうだねー。お祭りって感じだね」
私はお祭りを前に少しテンションが上がっていた。しかも今回は葛ちゃんからのお誘いで二人きりだった。
葛ちゃんは深い意味はないと言っていたけど私としては少し期待したりもしている。
「お祭りとは決まった時期にどこからかやってくる神様を『待つ』ことが本来の意義だったらしいですよ」
「へえー、そうなんだ」
「それより桂おねーさん早く行きましょう。時間は待ってくれませんよ」
そういうと葛ちゃんは先に駆けていってしまった。
「まってよー、葛ちゃん」
私は浴衣で葛ちゃんはラフな服装。
この競争の結果は日を見るより明らかだった。
兎と亀より勝負にならない。もっとも、この兎は亀のことをちゃんと先で待っていてくれたのだけど。
「追いついた」
「追いつかれちゃいました」
「はい」
私は手を差し出した。
また葛ちゃんが先に行ってしまわないようにこうしているのが一番いいと思ったからだった。
「え?」
だけど、葛ちゃんは私の手を不思議そうに眺めていた。
「こうするんだよ」
だから私は無理やり葛ちゃんの手をとった。葛ちゃんの手は小さくてとても柔らかかった。
「桂お姉さん?」
「行こっか?」
「はいです」
それから私達は射的をしたり、金魚すくいをしたり、たまに葛ちゃんの豊富な知識を披露されて私にはよく分からなかったり、たこ焼きを食べたりして屋台を満喫したのだった。
そして、今日のクライマックスが始まった。
境内に腰掛けて私と葛ちゃんは一緒に打ち上げ花火を眺めていた。
そういえば葛ちゃんが一年前のあの時打ち上げ花火は自分のことしか考えていない。自分が綺麗に見えることしか考えてないって言っていたことを思い出した。
「ねえ葛ちゃん?」
「なんですか?」
「葛ちゃん言ってたよね。打ち上げ花火は自分のことしか考えてないって」
「はい」
「私は最近ちょっと違うかなって思い出したんだ。打ち上げ花火は自分のことを綺麗に見せることしか考えてないかもしれないけど、それでもこうして大好きな人と二人で見るとすっごくあったかい気持ちになるんだよ。それってさ、もしかしたら打ち上げ花火が私たちにそんな気持ちをお空から降らせてくれてるんじゃないかなって、そう思うんだ」
私がそう言うと葛ちゃんは黙ったまま下を向いてうつむいた。
一体どうしたんだろうと思ってわたしが顔を覗くと葛ちゃんは声を殺して笑っていた。
「葛ちゃん」
「ごめんなさい。でもあまりにも桂お姉さんが真剣な顔をしているもので」
「私は真剣だったんだよー」
「はいはい」
「その返事は何? 葛ちゃん」
「でも打ち上げ花火が空からこんな暖かい気持ちを降らせてくれるんだったら、少しは好きになれそうです」
そう呟く今度は葛ちゃんから手を握ってきてくれた。
「桂お姉さん、これからもずっと一緒にいてくださいね」
そんなこと頼まれるまでもなかった。だって葛ちゃんはあの時からずっと私の心に不法侵入してるんだから。
とそんなことを考えている場合じゃなかった。
私は今葛ちゃんとお祭りにいく約束をしていたのだった。
昨夜さんに浴衣の着付けをしてもらっていざ出発したはいいが、どうも時間に間に合いそうになかったのだった。
駆け足で待ち合わせの神社の境内の下まで急ぐとすでに葛ちゃんは空を見上げて暇そうにしていた。すでに提灯を吊り下げた神社の周りには屋台が並んでいて、その中を大勢の人が行きかっていた。
「葛ちゃん!」
そう声をかけると葛ちゃんは視線を落として、私を視認すると笑顔を浮かべてこっちに向かってきた。
「桂お姉さん、遅いですよ」
「ごめんね」
「いいですよ」
「それにしてもすごいね。人が一杯で楽しそうだねー。お祭りって感じだね」
私はお祭りを前に少しテンションが上がっていた。しかも今回は葛ちゃんからのお誘いで二人きりだった。
葛ちゃんは深い意味はないと言っていたけど私としては少し期待したりもしている。
「お祭りとは決まった時期にどこからかやってくる神様を『待つ』ことが本来の意義だったらしいですよ」
「へえー、そうなんだ」
「それより桂おねーさん早く行きましょう。時間は待ってくれませんよ」
そういうと葛ちゃんは先に駆けていってしまった。
「まってよー、葛ちゃん」
私は浴衣で葛ちゃんはラフな服装。
この競争の結果は日を見るより明らかだった。
兎と亀より勝負にならない。もっとも、この兎は亀のことをちゃんと先で待っていてくれたのだけど。
「追いついた」
「追いつかれちゃいました」
「はい」
私は手を差し出した。
また葛ちゃんが先に行ってしまわないようにこうしているのが一番いいと思ったからだった。
「え?」
だけど、葛ちゃんは私の手を不思議そうに眺めていた。
「こうするんだよ」
だから私は無理やり葛ちゃんの手をとった。葛ちゃんの手は小さくてとても柔らかかった。
「桂お姉さん?」
「行こっか?」
「はいです」
それから私達は射的をしたり、金魚すくいをしたり、たまに葛ちゃんの豊富な知識を披露されて私にはよく分からなかったり、たこ焼きを食べたりして屋台を満喫したのだった。
そして、今日のクライマックスが始まった。
境内に腰掛けて私と葛ちゃんは一緒に打ち上げ花火を眺めていた。
そういえば葛ちゃんが一年前のあの時打ち上げ花火は自分のことしか考えていない。自分が綺麗に見えることしか考えてないって言っていたことを思い出した。
「ねえ葛ちゃん?」
「なんですか?」
「葛ちゃん言ってたよね。打ち上げ花火は自分のことしか考えてないって」
「はい」
「私は最近ちょっと違うかなって思い出したんだ。打ち上げ花火は自分のことを綺麗に見せることしか考えてないかもしれないけど、それでもこうして大好きな人と二人で見るとすっごくあったかい気持ちになるんだよ。それってさ、もしかしたら打ち上げ花火が私たちにそんな気持ちをお空から降らせてくれてるんじゃないかなって、そう思うんだ」
私がそう言うと葛ちゃんは黙ったまま下を向いてうつむいた。
一体どうしたんだろうと思ってわたしが顔を覗くと葛ちゃんは声を殺して笑っていた。
「葛ちゃん」
「ごめんなさい。でもあまりにも桂お姉さんが真剣な顔をしているもので」
「私は真剣だったんだよー」
「はいはい」
「その返事は何? 葛ちゃん」
「でも打ち上げ花火が空からこんな暖かい気持ちを降らせてくれるんだったら、少しは好きになれそうです」
そう呟く今度は葛ちゃんから手を握ってきてくれた。
「桂お姉さん、これからもずっと一緒にいてくださいね」
そんなこと頼まれるまでもなかった。だって葛ちゃんはあの時からずっと私の心に不法侵入してるんだから。
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