別れと出会いの春がきて(あとがき)
とりあえずこのシリーズとしてはこれで完結ということになります。この先や前の話を小ネタでやる場合はあるかもしれませんが。思えば一話目まさかこんなに続く話になるなんて思いもしませんでした。オリ小説の息抜き程度でとりあえず自分の好きな江×祐を、と始まったことだったんですが、多くの人の拍手やらコメントやらに支えられて迷走しつつも完結という着地点に到着することができました。どうもありがとうございます。
この話、順番的には
魔法の手→ウォレンティーヌスの悪戯→黄薔薇の蕾まっしぐら→これ
で、読んだ方がしっくりきますね。ということでそういう順番にしておきました。
↓ネタバレ含む
別れと出会いの春がきて
「お姉さま、ご卒業おめでとうございます」
「ありがとう、祐巳」
「私は泣きません」
「じゃあ、その瞳から流れてるのは一体なんなのかしら?」
「こ、これは汗です」
「ふふ」
「嘘じゃありません!」
「ええ、分かってるわ。心の汗よね。別名涙とも言うわ」
「違います。泣いてるわけじゃ」
「祐巳が泣いているとか、笑っているとか、そんなことで私は杭を残したりしない。ただ祐巳が無理しているのが一番心配。泣きたいと思ったときに泣ける、笑いたいと思ったときに笑える人がいるのかってね。私はどっちなのかしら?」
「お姉さまは」
そんなこと聞かれるまでもなかった。
私はお姉さまに身をゆだねてひたすら涙を流し続けた。
「私が卒業しても祐巳は妹よ。だから私の前で無理なんかしないでね」
「ありがとう、祐巳」
「私は泣きません」
「じゃあ、その瞳から流れてるのは一体なんなのかしら?」
「こ、これは汗です」
「ふふ」
「嘘じゃありません!」
「ええ、分かってるわ。心の汗よね。別名涙とも言うわ」
「違います。泣いてるわけじゃ」
「祐巳が泣いているとか、笑っているとか、そんなことで私は杭を残したりしない。ただ祐巳が無理しているのが一番心配。泣きたいと思ったときに泣ける、笑いたいと思ったときに笑える人がいるのかってね。私はどっちなのかしら?」
「お姉さまは」
そんなこと聞かれるまでもなかった。
私はお姉さまに身をゆだねてひたすら涙を流し続けた。
「私が卒業しても祐巳は妹よ。だから私の前で無理なんかしないでね」
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