別れと出会いの春がきて
「お姉さま、ご卒業おめでとうございます」
「ありがとう、祐巳」
「私は泣きません」
「じゃあ、その瞳から流れてるのは一体なんなのかしら?」
「こ、これは汗です」
「ふふ」
「嘘じゃありません!」
「ええ、分かってるわ。心の汗よね。別名涙とも言うわ」
「違います。泣いてるわけじゃ」
「祐巳が泣いているとか、笑っているとか、そんなことで私は杭を残したりしない。ただ祐巳が無理しているのが一番心配。泣きたいと思ったときに泣ける、笑いたいと思ったときに笑える人がいるのかってね。私はどっちなのかしら?」
「お姉さまは」
そんなこと聞かれるまでもなかった。
私はお姉さまに身をゆだねてひたすら涙を流し続けた。
「私が卒業しても祐巳は妹よ。だから私の前で無理なんかしないでね」
「ありがとう、祐巳」
「私は泣きません」
「じゃあ、その瞳から流れてるのは一体なんなのかしら?」
「こ、これは汗です」
「ふふ」
「嘘じゃありません!」
「ええ、分かってるわ。心の汗よね。別名涙とも言うわ」
「違います。泣いてるわけじゃ」
「祐巳が泣いているとか、笑っているとか、そんなことで私は杭を残したりしない。ただ祐巳が無理しているのが一番心配。泣きたいと思ったときに泣ける、笑いたいと思ったときに笑える人がいるのかってね。私はどっちなのかしら?」
「お姉さまは」
そんなこと聞かれるまでもなかった。
私はお姉さまに身をゆだねてひたすら涙を流し続けた。
「私が卒業しても祐巳は妹よ。だから私の前で無理なんかしないでね」
スポンサーサイト